わたくしWhimが制作している独自仕様のオンライン麻雀の仕様や考えについて語っていきます。
前半はゲームの独自仕様について、後半はゲームの方向性について、となります。
というわけでこの記事では独自仕様について解説していきます。
目次
はじめに
現在、私は個人でオンライン麻雀ゲームを開発しています。
オンライン麻雀といえば、『天鳳』をはじめ多種多様な大手麻雀ゲームが覇権を握っている、というのが今の情勢です。(余談ですがWhimこと私は『雀魂』で遊んでいます)
で、そんなゲームを相手に『個人開発者』が『大手開発企業』相手に『王道オンライン麻雀』で挑もうなんて言うのは、さながら『幼女』が『ボクシング世界王者』相手に『世界タイトルマッチ』を挑むようなものです。
経験、ノウハウ、品質、そして何よりプロジェクトに関わっている人数!
どれもこれも劣っているのに、同じ土俵で勝てる訳ないじゃん。(でも幼女なら愛嬌で世界取れる!)
じゃあ開き直って、私が考えた最強(?)の麻雀を作ってやる!
という訳で様々な独自仕様を追加しまくって、王道の麻雀とは大幅にかけ離れた邪道な麻雀を制作しはじめた次第です。
それはもう、かの有名なキャラクターが主役の麻雀ゲーム『東方幻想麻雀』シリーズや、フリー麻雀ゲーム『野性の闘牌 鰻』並みにぶっ飛んだ独自仕様ラッシュです。
どんな麻雀なの?
α版公開しました!下記URLからどうぞ!
https://unityroom.com/games/scam_mahjong
↓開発中の半莊戦動画
麻雀に独自仕様って具体的に何?(実装済み)
タイトルにも書いた通り『運ゲーが嫌い』なので、いかにして運要素を排他するかを考えた結果…
選ばれたのはイカサマでした
バレなきゃあイカサマじゃあねえんだぜ
いや、ジョジョは一度も見たことないんですけどね、でもこの言葉通りなんです。
私が作っている麻雀には、通常の対局に加えて
局の開始前(洗牌中)にイカサマを仕込むorイカサマを防ぐフェーズ(実装予定)
対局中にイカサマを『行う』フェーズ
対局中にイカサマを『疑う』フェーズ
が存在し『如何にバレないようにしつつ手を早く進めるか』が勝負のカギを握ります。
高速で高打点聴牌を行える隠し副露
一般的な麻雀における副露は
相手の牌を鳴く→手牌から該当する牌を取る→相手に見えるように置く
という感じですが、私の麻雀ではこの通り
本来見せるべき手牌を隠した状態で副露を行います。
ちなみに、この手牌の中身は…
実は副露に使用する牌は全く関係ない牌でも選択可能であり、画像の様に本来なら選べない牌で副露する事が可能なのです。
この隠し副露を更に活用すれば…
…もちろん、イカサマがバレたら錯和扱いになり、満貫分の罰符を支払ったり和了出来なくなったりします。
多面待ちのフリテンとか大抵の人は瞬時に気付かない
気付かないなら、フリテンでもロンしちゃえ!
ここで問題…これらの待ち牌を、オンライン麻雀でよくある制限時間『20秒以内』に答えられますか?
①清一色&一盃口
②清一色or九蓮宝燈
③20秒以内に本当に回答できる?
まぁ麻雀に慣れている人であれば、結構早く答えに辿り着けるかもしれません。
でも、相手が『和了して手牌を公開してから』20秒以内に『待ち牌を理解』した上で『その上がりがフリテンである』って、そうそう簡単に気付く事が出来るのでしょうか?
それ以前に、対局相手は全員相手の待ち牌をすぐに理解できる人達なのでしょうか?
フリテンは当然ながらルール違反なので、王道オンライン麻雀では基本的に『どんなに複雑な待ち手でも』ロンは出来ません。(ツモは可能)
しかし、私の麻雀では疑いフェーズのシステムが存在するため、そのロンがフリテンだと分かれば『疑って罰符を支払わせる』という条件の下、フリテンロンを採用しています。
開けろ、イカサマド市警だ!
イカサマをしたと思われる相手に対して、その行動がイカサマか疑うフェーズが存在します。
相手が副露、または和了した際にコマンドが表示され、そのコマンドに従うと疑うことが出来ます。
副露
疑った相手が副露をイカサマをしていた場合、イカサマしたプレイヤーは満貫分の罰符(8000点)をあなたに支払います。
更にそのプレイヤーはこの対局中、『副露禁止』『和了禁止』かつ『流局時、強制ノーテン』となる、錯和状態になります。
和了(2021/02/02仕様変更)
疑った相手が役無し和了、またはフリテン和了をしていた場合、副露時同様に満貫分の罰符を支払い、『強制的に流局バレたプレイヤーは強制的に自摸切り』となります。(追記.雀魂の『三人まで和了可能』という期間限定麻雀を参考に、この部分の仕様を変更しました)
この時、ツモの場合は副露の時と同じで、『あなた』に8000点を支払います。
しかし、ロンの場合は『放銃被害者』と『あなた』に各4000点ずつ支払います。
さらに和了したプレイヤーのイカサマがバレた場合、そのまま対局が続きます。
状況によっては、役無し400点を疑った後に、満貫以上の和了プレイヤーが現れる可能性だってあるのです。
和了の場合、相手が役無し・フリテンだからと言って無暗に疑うと、逆に損する可能性がある事を念頭に置いておきましょう。
疑う事のリスク
疑った時に、相手がイカサマではない通常の副露だったり、ちゃんと役が存在してフリテンでもない場合、あなたが『疑ったプレイヤー』に満貫分の罰符(8000点)を支払う必要があります。
更にこの対局中、あなたは『疑う行為』が禁止され、露骨なイカサマ(河に牌が存在するのに、その牌の暗槓を行う等)を見つけても疑う事が出来なくなります。(バレた時と違って、副露や和了は出来ます)
これはつまり、相手にイカサマ大物手を作らせるチャンスを与える事にほかなりません。
そのため、無謀な疑いは控えるよう慎重に判断する必要があります。
また後述する『说谎』系統の役は、手牌だけでは『役無し』に見えてしまう場合もありますが、疑ってしまうと『役がある』判定になって罰符を支払う事になるので注意しましょう。
それでも僕は和了したい
ここで点を取らないと敗北濃厚、でも手牌は惨敗、喰いタン役牌狙いすら無謀なこの局面…
嫌という程ありますよね! …ありますよね?私だけじゃないよね?
そんな時に便利な役を、勝手に作れるのが自作麻雀の良いところ。
『说谎』は『嘘つき』の意
私の麻雀には以下の役があります。(いずれも『牌を隠したまま和了』『イカサマがバレない』事が条件)
・3~4回イカサマ副露を行い和了する『三说谎 1翻』『四说谎 2翻』(下記の役と重複する)
・3~4回イカサマ『ポン』を行い和了する『三说谎碰 1翻(対々和と重複する)』『四说谎碰 2翻(対々和・下記の役と重複する)』
・3~4回イカサマ『カン』を行い和了する『三说谎槓 2翻(対々和・三槓子と重複する)』『四说谎槓 役満(四槓子と重複する)』
上記の役はイカサマの副露だけで役が成立し、和了した時に疑われても役無し罰符にはなりません。(フリテンかつロンの場合は罰符確定)
さらに、『ドラ』をポン・カンして和了した場合、隠している牌も全てドラとして扱う『嘘ドラ』がボーナスで付与されます。
(上の写真では『ドラm8』をポンして『ドラ1, 嘘ドラ2』を確定、そして『ドラm8の単騎待ち』で和了しています)
なんだ簡単じゃないか、という風にも見えますが、実は一度もバレずに三回副露するのは結構難しいです。
特にポンとカンは、相手の手牌に該当牌が数枚あるだけで、ほぼ確実にイカサマだとバレるのです。(チーの時も場合によっては確実にバレる)
しかし、疑う側のリスクや後述する幾つかの仕様を考慮すると、悲惨な手牌から起死回生の和了を狙うチャンスは十分にあります。
誰がどう見ても大物手だから仕方がない
この画像を見てください
上は清一色、下は字一色の聴牌です。
『誰からも疑われていない』のだから、どう見ても清一色、字一色ですよね?
実際は、見ての通りどちらもイカサマ副露を多用しています。
しかし、どちらも役無しではなく、『清一色』『字一色』として解釈されています。
『疑われていない』という事は『相手全員が清一色か字一色だと信じていた』という事です。
じゃあ『清一色』や『字一色』扱いでいいよね?という事です。
滅茶苦茶な暴論に聞こえるかとは思いますが、疑わないプレイヤーが悪いんです!(疑いの仕様にも書いてある様に、疑えない場合も存在しますが…)
清一色の他にも、『副露可能な役満』『対々和』『三暗刻』『三色同刻』『混老頭』『混一色』『小三元』そして『役牌・三元牌』もバレなければ成立します。
如何に残念な手牌でも、イカサマ副露なら大物手に早変わりです!(疑われた場合はお察しください)
ちなみに字一色や大三元、四槓子などの役満をイカサマなしで成立させた場合、『純正 役満』がボーナスで追加されます。(四槓子の場合のみ『純正 ダブル役満』の追加)
身の潔白を証明するだけで2翻
『说谎』関連の役は『喰い断么九』『三色同順』『チャンタ系』『一気通貫』等の役とは重複しない欠点があります。(ただし、三说谎碰(嘘ポン三回)と順子待ちのチャンタだけは重複する)
というか副露を隠している限り、断么九と順子系の役は成立しません。
上の画像を見て、これが『三色同順』だと判断できますか?仮に三色同順を認めたとして、これは123の三色同順か、それとも345の三色同順なのか、どっちが正しいのか判断できますか?
喰い断么九に関しては、イカサマ難易度の低いチーから超高速和了が実現するので…ね?
なので、順子系・喰い断么九の役を作りたい場合は和了時に『副露した手牌を見せる』必要があります。
この時『3~4回副露』していて、かつ『全ての副露がイカサマではない』かつ『一度も疑われていない』状態で『和了時に3個以上の副露を公開』すると『显示 2翻』がボーナスで追加されます。
『显示』を完成させるためには『3回以上の副露』『一度もイカサマ副露を行わない』『一度も疑われない』事が条件です。
イカサマではない通常の副露を疑われた場合、『显示』が完成しなくなる代わりに、無条件で満貫分の罰符を貰う事になります。
つまり、通常の副露だけで8000点・上手くいけば最大24000点もタダで貰えるのです。
じゃあ、イカサマせず真面目に副露したのに『一度も疑われないまま和了』したら、最悪のパターンだと役牌か断么九の1000点扱い?それって酷くない?
この役はイカサマ副露と後述する疑うフェーズ仕様の存在により『ポン・カン等の作りにくい(当ゲーム比)通常の副露が一度も疑われない場合』の儲けの悪さを改善するための救済措置になります。
そのため、この役はドラと同じ立ち位置(显示のみだと役無し扱い)になります。
究極の奥の手
もう開き直って役無しで上がろうぜ!
私のゲームでは、なんと『役無し』『ドラ』のみでも上がれます!
これは『说谎』系の役を実装した際の副産物なのですが、結果的に面白くなりそうだったので採用した次第です。
役が無い場合、疑う処理を仕掛けられると当然ながら罰符を支払う必要があります。
しかし『说谎』系の役を組み立てたプレイヤー相手だと、疑ったプレイヤーが逆に支払うリスクがあり、疑わないケースも発生するかと思います。
あるいは他の全プレイヤーが疑えない状態の時に、誰よりも早く和了する手段として『役無し和了』する事が可能です。
なお、『役無し』は0翻扱いです。
役無し単騎で和了した場合、子の和了は400点、親の和了は600点で計算します。
ちなみに、ドラを持っているとか他家の妨害のために…等ではない限り、流局の方が安全かつ高い金額を受け取れます。
が、果たしてどうなることやら…
麻雀に独自仕様って具体的に何?(実装予定)
上に書いた内容は、当記事を書いていた時には既に実装している内容です。
これらの実装によって、如何に初期手牌が悲惨でも十分戦いやすくなっています。
しかし、戦いやすくなっただけで、ストレスが溜まる初期手牌や理不尽な放銃牌ツモを防ぐ手段は『まだ』存在しません。
これから作っていく部分はこれらの理不尽な運要素を回避するシステムの実装です。
いかにして自分の手牌を良くして、理不尽な放銃牌引きを防ぐか悩んだ結果…
選ばれたのはイカサマでした
ポイントを使えば無料でイカサマが出来る!
上の方で説明したように、通常の対局に加えて
局の開始前(洗牌中)にイカサマを仕込むorイカサマを防ぐフェーズ
対局中にイカサマを『行う』フェーズ
対局中にイカサマを『疑う』フェーズ
があり、対局中に行うイカサマとは別に、対局開始前の洗牌時にイカサマが出来るように開発しております。
しかし、洗牌時のイカサマは対局中のイカサマよりも強い効果があるため、頻繁に使用される訳にはいきません。
そのため、それぞれのイカサマに対して『必要コスト』を設け、使いたい局で使用するといった感じで考えています。
昔から受け継がれた伝統ある技術『積み込み』
積み込めば万事解決!
初期牌を操作できないというのは、プレイヤーにとって大きなストレスです。
いつもいつも、他家はすぐリーチするのに、私の手牌は5向聴とかそんなんばっかり…
…なんて発言を上級者たちが聞くと『イヤな記憶が印象に残りやすいだけ』やの『統計を取れば皆平等』やの色々言われそうですが。
まぁ統計がどうであれ、いざ実際にそんな状況に置かれたら、『少なくともその対局中、その瞬間には』苛立ってしまうでしょう。
さて、この悲運という無理難題に対して、昔の人たちは様々な技術で立ち向かってきました。
そのひとつが『積み込み』です。
『元禄積み』『六間積み』『ドラ爆弾』『燕返し』等々、洗牌の時点で予め牌を仕込んでおき、対局を有利に進める手段です。
どういう訳か、王道オンライン麻雀においては、これらの由緒正しきイカサマは全てご法度扱いにされています。
しかし私の麻雀では、条件さえ達成すれば使用する事が可能になります。
ゲームなら気付きそうだけど…『すり替え』
積み込みは強力な分、必要コストが高めだったり、何かしらの対策が取られたりする欠点を持ち合わせる予定です。
そうなると低いコストで使用できるイカサマが欲しいところです。
つまり、初期牌はランダムだけど、色々やって有利にしたい、という事です。
しかし、そんな都合のいいイカサマがあるかと言われたら、あるんだよなぁ。
『キャタピラ』『左手芸』『河拾い』などの、いわゆる『すり替え』というイカサマです。
現実でやっても意外と気付かれないらしいですよ?意外と。
まぁ、その分積み込みよりも恩恵は低くなるよう設定する予定です。
一体いつから同じ牌は4枚だけと錯覚していた?『持ち込み』
リーチの最中に相手が追っかけリーチ、その時に自模った明らかにやべぇ牌を捨てなければいけない時、ありますよね?
そんな時は『入れ替え』すればいいんですよ!
といっても手牌とすり替えるわけじゃありません。
ゲーム開始前から予め『持ち込み』していた数枚の麻雀牌とすり替えるのです。
例えば、予め『北』を2枚隠し持って対局を開始したとします。
その後放銃しそうな牌を引いた時に、隠し持っていた『北』一枚とツモした牌を交換して捨てるのです。
あるいは、持ち込み牌を入れ替えたら和了可能な状態でリーチした後、ツモ牌と和了可能牌を入れ替えて『リーチ・一発・ツモ』の3翻を確実に成立させたりすることも…
まぁ『リーチ・一発・ツモ』は私の麻雀だと絶対に完成しないけどね!
もちろん、そんなことしたら牌が『3枚』になったり『5枚』になったりしますが、んなこた知らねぇ!
もちろん『持ち込める枚数の制限』や『持ち込みによるペナルティ』は発生させる予定ですが、これにより簡単に通常カン(牌をとり替えてる時点で通常ではない気がするが)が出来る上に、相手が通常(?)の副露を疑ってくれる恩恵も得られます。
(同じ牌が5枚あれば、手牌に4枚、相手の手牌に1枚という状況が完成するため)
そして理論上は完成する、同じ牌が14枚揃った『牌一色』なる役満も予定してます。(四人がコンビ打ちすれば完成するかも…カルテット打ち?)
事前にイカサマを防ぐなら
イカサマは強い効果をもたらすため、何とかして防ぐ必要があります。
洗牌時のイカサマは大雑把に分けると『積み込み』と『すり替え』に分類されます。
持ち込みは『すり替え』の部類に該当し、燕返しは『積み込み』と『すり替え』の両方に該当します。
イカサマを防ぐには、まず『積み込み』か『すり替え』どちらか一方に絞って対応する必要があります。
『積み込み』を防ぐ選択をした場合、『すり替え』は防げません。
逆に『すり替え』を防ぐ選択をした場合、『積み込み』は防げなくなります。
(燕返しはどちらでも防げる代わりに、イカサマを許してしまうと天和確定)
防ぐためにも一定のコストが必要であり、防ぐ選択をした場合は、その局に『積み込み』『持ち込み』が出来なくなります。(『持ち込み』した牌の取り換えは可能)
また相手が『持ち込み』している牌や相手の手牌を全て見れる『ガン牌』も実装する予定です。
最後に
独自仕様の説明だけなのに、意外と長くなってしまった事は反省しています。
この他にも『麻雀=運ゲー』と呼ばれてしまう原因の1つ『リーチ一発ツモ』の廃止や、一部役の翻数を調整するなど、運要素を極力減らした麻雀に仕上げられるよう努めております。
オンライン対戦はまだ未実装ですが、CPU戦はある程度完成しているので、デバッグが完了したらαテストを公開します。
α版公開しました!下記URLからどうぞ!
https://unityroom.com/games/scam_mahjong
良ければ遊んで行っていください。
そして、このゲームをみんなに広めていただけると嬉しいです。
また、記事の後半ではこのゲームの思想というか、私の自作麻雀に対する考え方について話していきたいと思います。
後半はこちらから
by Whim